日仏バイリンガルアカデミアについて
はじめまして、堀家香織(ほりけかおり)と申します。
このサイトを訪れてくださったあなたは、きっとバイリンガルになってほしいお子さん、あるいは生徒さんをお持ちの方だと思います。
日仏家庭で3人のバイリンガル育児をしながら、教師としてバイリンガル育児をしてきた私は、「同志!」と叫びたくなるくらい、あなたに勝手に親しみを覚えてしまいます。
ところで、みなさんはどの程度のバイリンガルを目指していらっしゃいますか?バイリンガルには、大きく三つのタイプがあると言われています。
① プロフィシエント・バイリンガル 年齢相応に二つの言語が話せる。
② パーシャル・バイリンガル ひとつの言語は年齢相応だが、もう一つはそこまで達していない。
③ リミテッド・バイリンガル 両言語が年齢相応ではない。
実際には、多くのバイリンガルは②のパーシャル・バイリンガルだと思います。それでも十分素晴らしいことです。
でも、①のプロフィシエント・バイリンガルに近づけてあげたいと思うのが親心。完璧でなくても、読み書きを習得してほしいと思いませんか?
プロフィシエント・バイリンガルになるのに、決まった道もゴールもありません。
幼少期から親の努力が必要だし、一定の年齢が来たら、子供自身がそれを自覚して努力していく必要があります。
また、日本語学習機関にアクセスできる地理的・金銭的条件、日本語・日本文化に触れる家庭環境(配偶者の理解も含む)など、それぞれの家庭がもっているリソースもかなり影響を与えます。もちろん、子供が生来もっている能力も関係してきます。
そんな中で、
- まずは、親や指導者自身が日本語習得の目的を明確を持つこと
- それを本人の考えや能力、それぞれの家庭が持っているリソースとすり合わせながら、折り合いがつく目標を定めること
- それに向かって親や指導者が用意できるリソースを集めること
が必要です。
日仏バイリンガルアカデミアは、私の20年以上の経験や仲間とのネットワークを生かして、そんなあなたの
読み書きができる プロフィシエント・バイリンガル育児
のお手伝いをします。
日仏バイリンガルのみならず、以下、三点のバイリンガル育児全般に役立つ情報をオンラインのセミナー、研究会、講座で発信していきます。
- 読み書きができるバイリンガルに育つために家庭でできること
- 日本語の読み書き習得の大きなハードルとなる漢字習得の具体的な方法
- 住んでいる国の教育制度を活用して、長期的な目標を立てるための情報
さあ、一緒に一歩上のバイリンガル育児を目指して、一歩を踏み出しませんか?
日仏バイリンガルアカデミア
代表:堀家 香織
堀家香織(Horike Kaori)について
大学院時代に2年間休学して、フランスリヨンにあるインターナショナルスクール日本語科で小学生から高校生に日本語で社会科を教える機会に恵まれました。当時、日本語科は保護者が中心となって、OIB(l’option internationale du baccalauréat)の日本語オプションを作ろうと画策中。(OIBについてはブログ参照)(現在はBFI Le baccalauréat Français international)「社会科の教員免許を持った教員」が必要ということで、フランス語ゼロ、教員経験ゼロ、でもやる気だけは人一倍だった私を雇ってくれました。それが、私のバイリンガルの子供たちと出会いです。フランス語ほぼゼロの若き私のフランス語の先生は、バイリンガルの生徒。その生徒に私は日本の地理と歴史を教えるというあべこべな教員生活でもありました。その後、大学院に復学、日本の公立小学校教員になるものの、フランス人の夫と結婚。子連れで国をまたいで数年ごとに移動する生活が続き、今に至ります。
日仏カップルの私たちに、子どもが生まれたとき、夫婦で日仏両言語を読み書きできるレベルまで教えると決めました。どの程度というのは難しいのですが、私の中では、フランスの教育システムにのせて、日本語は私がサポートしてOIBを取得するというのが、ずっと心のどこかにありました。その資格が将来的に有利になるどうこうではなく、日本語や日本文化をきちんと学ぶ一つの指標としたという感じです。国をまたいでの移動でも、この方針は一度も揺らいだことはなく、住む場所も選ぶ仕事も「子どもたちが二つの言語を学び続けられること」を第一条件で決めてきました。そして、長女は2022年、東京国際フランス学園でOIBの日本語オプションを取得することができました。
日仏瑞米と…国をまたぐ引っ越しの中でも、私自身は、いつも教育現場に身を置くように努めてきました。スイスでは補習校、日本では盲学校、アメリカでは継承語教室を立ち上げるなど教鞭を持ち続けるほか、日本の大学の研究者に協力して、フランスやスイスの学校現場の調査に参加させてもらったりもしました。このキャリアに、長年「何もかも中途半端」とコンプレックスを持っていました。でも、全ての経験を生かせる場を自分で創ればいい、探せばいいと思いなおして、2019年3月にオンライン会員制研究会「マルチリンガル漢字指導法研究会」を立ち上げました。ファシリテーターとして世界中の同志とともに、「母語でもない外国語でもない継承語として日本語」を学ぶ子どもたちに合った漢字指導法を模索し始めました。2020年9月からは、東京国際フランス学園の小学部で教えています。2022年9月には、この学校に、まさしくBFIを目指すコースとして、小学部に日本語科(Seciton Internationale Japonaise)が開設され、いわゆるイマージョン教育のような形で日仏バイリンガルの育成に関わらせていただいています。
2020年5月、日仏バイリンガル教育に公私ともども関わってきたこの20年余りの経験を生かして、バイリンガル育児の先輩方が切り拓いてくれた道に自分も何かを付け加えて次の世代にバトンタッチできるよう、この日仏バイリンガルアカデミアを立ち上げました。
【保有資格等】
横浜国立大学大学院教育学研究科社会科教育修了
小学校教諭専修免許/中学校教諭専修免許(社会)/特別支援教諭第一種免許/日本語教育基礎コース修了
日仏教育学会学会員