前回、漢字検定のメリット、デメリットについて書いた。
今回は、そのデメリットを最小限にするために私がしていたことを書こうと思う。
デメリットを最小限にするための工夫
1. 100%を目指さない
親はつい完璧を求めがちだが、合格基準は70〜80%である。私はそのラインギリギリで十分だと割り切っていた。むしろ、「細かいとめはねやたまにしか出てこない漢字の習得に神経をすり減らすより、その分の時間を読書にあてた方が語彙が増える」と考えていた。
満点を逃して落ち込むより、合格したという達成感を大切にしたい。
2. 親が「合格認定」をする
練習段階で80%に達したら、私はこう声をかけていた:
「よくがんばったね。ママとしてはもう合格点。
ここから先は自分で決めていいよ。合格したいならもう少しがんばってもいいけど、もう十分努力したと思うよ。」
このように伝えると、子どもたちは不思議と「やっぱり受かりたい」と言って、自主的に勉強を続けた。自分で選んだという感覚が、やる気につながるのだと思う。
3. 観点別でできたところを褒める
我が家では、学年の終わりに過去問を1回何も勉強せずに受けさせるところから、漢字検定の勉強を始めていた。そうするとまず合格点には達しないため、子供たちはとてもがっかりするところからスタートする。その時に、
点数だけを見るのではなくて、観点別に見ることが大事
たいていは「書き」ができないけれども、「読み」や「書き順」はほとんどできていたりする。なので、その
できたところを褒めてあげるところからスタート
するようにしていた。
「書きはみんな難しいんだよ。まぁ、これからの時代そんなに書きも必要ないんだけど、小学校位の漢字は日常生活でも使うから、読めて書けた方がいいから、頑張ろ!」
と声をかけていた。
我が家は「先取り」受験はしない
漢検を受けるのは、その学年の終わり。つまり、1年間で学んだ漢字を「復習」するために活用していた。
もちろん、どんどん先の級にチャレンジして、漢字博士のようになる子もいる。それはそれで素晴らしい。本人がそれを楽しいと感じているなら、やらせればいい。
ただ、我が家では先取りはあえてしなかった。漢字だけに偏らず、広く日本語力を育てたいと考えていたからだ。漢字はあくまでも読書や作文のための道具だから、道具ばかり研ぎ澄ましても仕方ないと思っていたのだ。うちの子どもたちも漢検のメリットをそこそこ感じていたから、イヤイヤながらやっていたけど、先取りしてまでやりたいとは全く思っていなかった。それくらいでちょうどいいと私は思っていた。
というわけで、よく偏差値について言われることだが、漢字検定もそれ自体はいいものだけど、「諸刃の刃」であるということを保護者や指導者は念頭に置いておいたほうがいいとは思う。
点数や「合格させること」が目的になってしまうと、本来の意義を見失う。これからも、上手に活用することを心がけたい。