前回の記事で、マルチリンガル漢字指導法研究会に込めていた個人的な思いについて書いた。ただ、7年目にして、そろそろ次のステージに移ってもいいのかなぁ、と感じるようになってきた。
もうすぐ50歳という節目の年を迎えることもあって、「自分自身が学ぶことから発信へ」という思いと、「全く違うことにチャレンジしたいな」という思いとが入り混じるようになったのだ。
一つには、漢字の指導法について、ある程度自分なりの解を見つけ、どんな子が目の前に現れても、それなりにその子たちに合わせたアレンジができる自信がついたから。
もう一つは、末子も12歳になり、取り立てて漢字指導をする必要を感じなくなったこともある。なんだかんだ言って、自分の子どもが私を奮い立たせてくれていたのかもしれない。子どもがいると本当に時間がないのだけれど、同時にエネルギーの源でもあったのだと。
でも、結論から言うと、もう一回ぶるん!とエンジンがかかった。それには三つ理由がある。
息子の励ましの言葉
年末、フランスに帰省して息子に会った。近況を聞かれたので、上記のモヤモヤした気持ちを、モヤモヤと話したところ……
「えー!辞めないで!ただ学校で教えるだけじゃなくて、研究会もやってるお母さんのこと、僕みんなに自慢してるんだから。」
と、意外な、そして親としても教師としても超うれしい言葉をもらったのだ。
自慢できることなんて別にないのだけれど、息子がそんなふうに思って応援してくれていたことが、やはりうれしかった。
もうちょっと頑張るか、という気になった。単純(笑)
末子からのリクエスト
同じ時期に、末っ子からもリクエストがあった。
「ねぇ、漢字クラブ3を作らないの?やりたい友達、いっぱいいると思うよ。」
「今になって、漢字クラブ、楽しかったなぁってすごく思うんだよ。」
と。
末っ子への漢字指導が原動力になっていたとはいえ、当人が本当に楽しんでいたのかどうかは半信半疑というか、私の自己満足かもしれないなと思っていたので、これもうれしい言葉だった。
これまた、もうちょっと頑張るか、という気になった。単純(笑)
研究会がセレンディピティを後押し!?
この研究会には、いろいろな人が集まっている。保護者、補習校の先生、継承語教室の先生、漢字教材開発者……。
前回の記事で「サラダボウル」のような研究会を作りたかったと書いたが、私はこの多様な人たちがごちゃごちゃと集まり、それぞれの良さを出し合いながら、単体では生まれない「サラダ」という一つの大きなものを作るのが目標だった。
だからこそ、一つの方法やターゲットに固執せず、多様な教材、多様な生徒を対象に実践報告をしてもらってきた。
今年1月の定例会は、「リズム音読」の開発者である小野ふじ子先生の発表だった。それを聴きながら、この研究会で
セレンディピティ
(思いがけない発見や偶然の幸運、価値あるものを偶然見つける力)
を刺激できたのかもしれない、と思えた。
もちろん、それは研究会のおかげというより、ふじ子先生の、いつも前向きで謙虚で好奇心旺盛な資質のおかげなのだけれど。それでも、研究会の場で偶然出会った人や指導法を掛け合わせ、新しいリズム音読を次々と生み出している姿を見せてくださり、
この研究会、やっていてよかった!
と心底思えたのである。
もちろん、私自身もここでたくさんのセレンディピティに出会い、助けられてきた。自分の授業だけでは飽き足らず、「漢字クラブ」まで立ち上げ、それをセミナーとして伝えるところまで来ているのは、この研究会のおかげだ。
これからは、研究会7年の活動の中で見えてきた、
汎用性の高い指導法を、初心者にもわかる形で丁寧に伝えていくこと
漢字指導のキモとなることを言語化し、結晶化すること
に力を注いでいきたいと思ってる。もう少し、メンバーが増えてくれるといいんだけど・・・。
ということで、もしかしたら偶然これを読まれて、ビビッと来られた方がいたら、ぜひマルチリンガル漢字指導法研究会へのご入会をご検討ください!
研究会という名前が重々しく感じるかも知れないけれど、アットホームな会です。前の記事に書いたように、誰もがふらっとに疑問や意見を言える、そんな研究会です。
https://www.learnjapanonline.com/multilingual-kanji/