少し前になるが、水田早枝子さんの講演
お子様の視点から考えるバイリンガル教育セミナー
に参加してきた。
この水田さん、ご自身が帰国子女、その後、東大、ハーバード大学と華麗なる経歴を持ちながらも、自分が二つの言葉、文化の間で苦しみ、でもそれを宝と思えるようになった経験を役立てたいと以下の家庭教師の会社を起業されている。
で、そんな彼女の語る言葉は一つ一つ珠玉のようで、
今現在、そんな状況で苦しんでいる親子
バイリンガルを目指そうかなと思っている親子
にすごく参考になると思うので、シリーズで書いておこうと思う。
「バイリンガル教育は『覚悟を持って挑む長い旅』」
いや、本当にそう。親子で歩む気が遠くなるような長い旅です。
「子どもはすぐ言葉を覚えてペラペラ話せるようになるというが、実はそれは落とし穴。言語には二つの種類があって、日常会話のような表層的な言語(BICS)と思考を深化するのに必要なアカデミックな言語(CALP)。海外暮らしになったら、倍速でこのCALPを身に着けないと、認知と学習に支障をきたす。」
両者のギャップは本当に大きく…外国に出た年齢によるが、5-7年かかると言われている。この事実を知っているだけで、焦らず、たゆまず、親も子供も歩み続けないといけないことが分かる!
うちの場合、生まれた時から、日仏はCALPを目指すことを決め、今は在米ですが、英語はとりあえずBICSで十分と割り切って、フレンチスクールに入れている。幾つも、無理!(特に親が)
「バイリミテッドの状況と知的発達障害を持ったお子さんの状況は酷似」
バイリミテッドとかセミリンガルという言葉が差別的だ、という意見もあるが…それはさておき、親としてこれは最大の注意を払ってあげるべきところだと思う。
言語=思考
と私は思っているので、もし二つが中途半端になって、深い思考を促す、支える言語を持てなくなってしまうなら、一つに絞るべきだと思う。
うちは日仏カップルで、子どもが生まれた時に両方の言葉を教えると夫と決め、それを実現するための労力、費用は厭わないと決めたけど、子どもの資質がそれに向かないのであれば、いつでも一つに絞る覚悟も同時にしたのを覚えている。
が、一度始めてしまうと、自分の子供の適性に気付いても、
辞める
という決断をなかなかできない親御さんは多い…。気持ちはわかるけど。
でも、
「リミテッドの状況か知的発達障害を持っているのか早めに見極め、前者ならしばらく一つの言語に集中させてあげる。後者なら専門家にかかる」
ことが必要と、水田さんのお話にもあった。
というわけで、表題への答え、
バイリンガルはかっこよくもラクもしてない。親と子供の涙と汗の結晶。
そして、超リスキーな選択。
水田さん、TEDでもお話しされていた~いやあ、才色兼備!
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