うちの子供たちは東京のフレンチスクールでフランスの教育システムに沿った教育を受けている。幸運なことに、学校システムの中で日本語の授業もあり、学年相応の教科書を用いるクラスでバイリンガル、バイカルチャーを実現すべく頑張っている。
多分、世界中探してもこれ以上、私たちのような日仏家庭の子供に恵まれた環境はないと思う。けれど、学校だけに頼るのは限界もある。
小6の息子の
日本語の語彙補充
いろいろな読み物を読んでほしい
もっと文章を書く機会を増やしたい
要約の練習をさせたい…
を叶えてくれる学習教材はないかなと思っていた。そんなところ、巷で人気の公文が無料体験中だったので、門をたたいた。
2教科できるというので、国語と英語(文法の補充になるかなと思って)。
最初は、デメリットが目についたが、結論から言うと、国語だけやることにした。今日は、デメリットの話。
目次
100%を目指す階段式
「フレンチスクールのお子さんを見ていると、まだ100%習熟させないうちに、学校は次に進んでいくんですよね~」と、公文の先生がおっしゃった。
その通りで、計算などでもある程度習熟した時点で、フランスではOKとされる。
理由は、
スパイラルに学習を進めるため
どうせまた次の学年で扱うので、完全さを求めないのだ。
「学習期」という考え方でプログラムが組まれていて、学年ごとではなく、2-3年ごとの学習期の終わりに、一定のレベルに達していればいいのだ。言い方を変えれば、2-3年の猶予がある。
あとは、
計算より、証明などの論理性を重視するため
正確に、速く…を追求せず、どう考えどう表現するのかということを重視する。
数学の考え方は両国で全然違うのはわかっていたので、最初から、履修する予定はなかったのだが…問題は国語も、
一つの学年の漢字がきちんと習得されていないと次の学年に進めない
これは、うちの子供にはあわないなと思った。
漢字ができなくても、内容的には、上の学年の内容を理解できることも多い。
4年生くらいからは書きより読み優先と考えている
からだ。
そもそも、バイリンガルは100%を目指したら、つぶれてしまう。
70-80%で良しとしなければ、時間もエネルギーも足りなくなるからだ。
公文は日本の教育システムに合わせて作られているので、まあ、これについて文句はもちろん言えないのだけど(笑)
できていることも繰り返し、徹底的に定着を図る
「自学自習」をモットーにカリキュラムが組まれているので、気が遠くなるほどのスモールステップでプリントが作成されている。同じ複文づくりの問題でも、最初は単語の穴埋め、その後、文節、最後に文を書くというように。
呑み込みが速い子
うちのように時間に制約がある子
には、無駄が多いように見えてしまう。
すらすら解けるから、子供はやるし、親も机に向かっているとなんとなく勉強しているように見えてしまうけど、結局何も新しいことは学んでいない可能性も…
息子の方が、「こんなに何回も同じことをやることに何の意味があるの?」と言い出した。
先生がマル付けをしながら、できることに気づいて、飛ばしてくれるといいのだけど、
基本、全部のプリントはやらないと次には進めない
仕組みらしい。
作法を大事にしすぎ
「ピリオドがないだけで、点を引かれて30分近く考えさせられた!」
と珍しくお怒りマークをおでこに光らせて、息子が公文から帰ってきた(笑)
先生としては、当たり前の間違いだったので、自分で見つけさせようとしたのだろうが…フランスでもアメリカでも、プリント位ならそういう細かいことはあまり言われないので、息子には腹が立ったらしい。
国語でも、「ですます体で答える」「文章で答える」というのが作法らしく、それに沿っていないと点が引かれる(笑)
これは悪いというわけではないけど、日本の教育って、そういう細かいところばかり見て、木を見て森を見ずというところがあるよなぁと思う。
進級テストでは全技能の平均を見られる
次のレベルの学習にうつるときには、進級テストを受けることになっている。
で、これは、読解、漢字、語彙などの各技能の点の平均とかかった時間を総合的にみて、合格点に達していないと、次にいけない。
でも、うちの子供のように、すべての技能を必ずしもバランスよく伸ばすことを望んでいない場合、一つの技能は落ちているけどその他は標準といった場合、落ちている技能のせいで先に進めなくなる。
できなければ、同じ問題を繰り返す
それで、進級テストを突破しなければ、同じ問題に戻ることになる。
もちろん、繰り返すことでできるようになることもあることは否定しないけれど、基本的には、
同じ方法を繰り返しても「わかる」ことはない。
「ただ、答えを覚える」ということもあっても。
それに、同じことをやらせると、大概の子供たちは、
モチベーションが下がる
相当、先生がよく見て、ピンポイントで「この部分ができていないだけだから、ここだけ頑張ったら次いこう」くらいな指導をするなら別だけど。
…と、デメリットが目につき、2週間の体験を一週間で打ち切ろうかと思った。でも、メリットにも気づいたし、何よりもそこの公文の先生が私の話をきちんと聞いてくれて、融通を聞かせてくれたので、続けることにした。
というわけで、次回はメリットの話。
Kazuyo says
全く同感です。ハワイで国語を受講させました。息子は7歳で継承語で日本語を母語として習得しています。 ハワイでは国語一教科で1万②千円もとるために、実家の近くのKumonの教室に4か月文、余り繰り返しの少ないような教材をセットで購入しています。それをクリアファイルにいれて、繰り返し使っています。
将来、弟もつかえるので! ホームスクーリングで公文を使っていますが、小さいことに親が×をつけないので、子供もすらすら進めています。完璧を求めない、これ本当に大切だと思います。
edu-kachan says
kazuyoさん、コメントありがとうございます。昨日も息子、細かいことに「×」を付けられて怒っていました(笑)親がつけるのがいいかもしれません…