さあ、漢字がたのしくなる本、ワークシリーズのレポート、始まり始まり~
お勧めの人
- 学年配当にこだわらず、応用が利く漢字の基礎を築きたい親、先生。
- 学校で漢字を習い始める前に、楽しく漢字導入をしたい親。
- 1年生で漢字を習い始めたけれど、面白くなさそうな子供を乗せたい親。
- 単調な学習になりやすい漢字学習にさし色を入れるアイデアがほしい先生。
お勧め度
5 / 5 (1:やめた方がいい 3:可もなく不可もなく 5:強く勧める)
主な内容
- 漢字を単なる記号ではなく、物事のイメージをかたどったものとして銘記する
- 長い漢字学習の土台となる101の基本漢字の形と音と意味としっかり獲得する
- 漢字の字形は10種類の画からできていることを学ぶ
- 書き順の基本を学ぶ
マルチリンガル漢字指導法研究会で対象とする「海外で日本語を学ぶ子」を念頭に、深堀してみると…
漢字を単なる記号ではなく、物事のイメージをかたどったものとして銘記すること
海外で学ぶ子どもにとっても、最初は漢字は楽しいもの。読むのも書くもの喜んでやる。特に、象形文字や指示文字は、古代文明を読み解くようなワクワク感がある。
この本は、古代文字を媒介にして絵と漢字を結びつけて漢字は絵からできたんだというところから始めるので、とてもいい!
「教わる子供はやがて今の漢字だけを見ても裏付けになるもののイメージを想い描いてとらえることができる」という著者の意図は達成すると思う。
長い漢字学習の土台となる101の基本漢字の形と音と意味としっかり獲得する
説明がつく面白い漢字は、学年配当にこだわらず、
遊びながら少しずつ、されど着実に持ち漢字数を増
やしてあげるのが、海外で育つ子には負担が少なくていいと思う。補習校では、時間の制限があって、形式的に1時間、象形文字の楽しさを説明した後、ドリルに流し込んじゃうけど…
といっても、海外で育つ子供には
ランダムに入れるより、ある程度のフレームワークがあった方が入りがいい
この本がいいのは、
「~つながり」といったまとまりで持ち漢字数を増やしていけること
「人や人の体を表す漢字」「道具を表す漢字」「様子を表す漢字」「点や線でここだよと指し示す漢字」といったまとまりで漢字数を増やしていける。
オマケに、
というのも販売されていて、
漢字の字源、快いリズム、絵
で、子供は遊びながら反復練習ができる!
101のうち、73個は部首となる文字、40個は形声文字の音記号になる
ので、これをしっかり押さえておけば、のちの漢字学習がかなりスムーズになるに違いない!
漢字の字形は10種類の画からできていることを学ぶ
漢字の字形を覚えるとき、筆順で捉えるよりも、画の名前で捉えさせたほうが、ずっと明確なイメージとして子供が漢字を捉えることになる」
という著者の考えに大賛成!
例えば、「女」という字。
こう書いてこう書いて、こう書く
より、
くの字を書いて、斜め線書いて、最後に横線書いて女
と言った方が、断然子供にとって定着がイイ。
ただ、
「どんな複雑な漢字でも画に分解してみればたった10種類の画になる」
というのは、くくりが大きすぎると思う。
これは、我らマルチリンガル漢字指導法研究会の源、ミチムラ式の方がいい。
ただ、これは海外で学ぶ子にとっては、細かすぎる、言葉自体が覚えにくいという難点が指摘されているので、ちょっと考えないと。
書き順の基本を学ぶ
海外で学ぶ子どもに、
「正しい書き順」の優先順位はかなり低くていい
と私は思っている。とはいえ、あんまりにも毎回でたらめだと、
定着が悪い
漢字辞典を引けなくなる
という理由で、最初の101字程度くらいは、書き順基本を教えて意識して入れた方がいいと思う。
「たてせんかいて、かくかぎかいて、中身をつめて、そこしめる~」
なんて、語呂のいい掛詞もかなりいい!↓
最後に、似ているけど違う漢字のページもいい。
これで一時間クイズ形式の授業したら、口やかましく言わなくても、自然に細かいところに目が行くようになるに違いない!
というわけで、ワーク①は、かなりお勧めです!
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