6月末、勤務校での学年末、1年目の指導を終えた私にママ友から嬉しい依頼が舞い込んだ。「夏休みに漢字の特訓をしたいので、その方法と最初の手ほどきをしてほしい。」
結局、そこのお子さん(私のクラスの生徒ではない)と彼女の友達(私のクラスの生徒だった)の2人を個別で見る機会を得られた。
そんな風にやる気のある子どもたちを手伝えるのはもちろん嬉しいし、私にとっては自分の1年間の指導の成果を振り返る良い機会になった。以下、備忘録。。
目次
私がとった確かめ方法の流れ
具体的な学習方法をお勧めする前に、一体どの程度できて、何につまずいているのか、いわゆる実態把握をしないと始まらない。ということで、ミチムラ式カードを使って、漢字一字一字のレベルから、「読みと意味」「書き」の順番で実態把握することにした。ちなみに、この子たちは、実年齢は、4,5年生だけれども、この1年で「3年の上」の学習を終えた子どもたちである。
あまりテストという感じではなく、気軽に、提示した漢字が読めるか読めないか、書けるか書けないか、2人のうちどちらかが答えるようにした。
読みのところで気をつけたのは、音訓両方の読みができるか。特に音読みのときにはその読み方を使った熟語をいえるかを確認。そのことで、その漢字の持つ意味を理解しているかが大体把握できるからだ。
書きのところで気をつけたのは、書かせるのではなく口で言わせること。そうすることで、漢字を「分解合成の視点」で見ているかどうかが把握できて、ただ力ずくで何度も書いておいたよりも、効率的に漢字を覚える力があるかどうかを見ることができると考えたからである。
成果のほどは!
◉読み
音読みはやはり訓読みに比べて難しいけれど、結構できていた。複数の読み方がある漢字(着など)は、リズム音読手法を部分的に取り入れて指導したのだが、一生懸命その時の唱え文句を思い出しながら答えている様子が見られて、リズム音読は効果的だと感じた。
◉意味
訓読みから意味を引き出したり、音読みの漢字の場合は部品から意味を考えていたりして、日常生活の言葉と結びつけて考えている様子が見られて満足。
例えば、「黒い板だから黒板、白い板だったら白板。このいたって板橋の板だよね。」というように。
私のクラスでは、新出漢字学習時に必ず、「この漢字を使った熟語探し」を短時間だけどみんなでやる。その時のやりとりがこの子の中に残っていて、あてはまる漢字や熟語見つけ出す力が根付いていることが伺えて嬉しかった。
◉書き
分解合成の視点はばっちり根付いていた。正式部首については、それなりに覚えていて、それで言えていた。
やりながら改めて思ったことだけれども、やはり口で言えるという事はとても大事なこと。なぜなら、
漢字を線ではなく塊で見れているということだし、細かい間違いが減るから
だ。1人のお子さんは、何度も「うまく言えないから書いていい?」と聞いて書いてくれたのだけれども、図としてぼんやり覚えているので、2つの点に見えるものは全て「ちょんちょん」と表現したりするので、線が1本足りなかったり、点の向きが微妙に違うのだ。彼女の方が、私のクラス生徒より、はるかに公文などで習熟を積んでいるはずなのに!である。
ただ、私のクラスのお子さんについては、部首の名前も書きの習得も、習熟が足りなすぎる!学校ではとても習熟まで時間をとれないので、家庭学習との連携、宿題の出し方にもう少し工夫が必要だと反省した。
次年度に漢字指導全般で取り入れたいこと
- 引き続き、ミチムラ式を中心に授業を展開。オンライン漢字システムから少しずつeブックに移行する。
- 三つ以上の読み方がある漢字については、単発でリズム音読の手法を使って、楽しく読みを入れる。
- 部首の名前は、日常的に意識させる以外に、集中して学習する機会を年に数回設ける。方法は、部首のリズム音読、部首カルタなど、少し目先を変えることで、楽しさを打ち出す。
- 教科書がルビなしで読むのが厳しい子、漢字リズム音読を気に入っている子には個別の漢字リズム音読の利用を勧める。
- 自分で熟語探しをするのが難しい子や語彙が少なくイラストが有効な手立てと思われる子には、ミチムラ式eブックの利用を個別に勧める。
別記事で、インターナショナルスクール漢字指導2年目!でもう少し掘り下げたい。