先日の記事で、一年目の指導を振り返った。それを踏まえて、いよいよ始まる2年目の方針を自分のためにまとめておくことにした。
大事なことは、精選。
長い漢字学習の道のりを見通して、それぞれの時期に力を入れておくべきことをクリアにして、「時間が足りない病」から脱したい!
目次
1、2年生の指導
1、2年生では、漢字の3要素「書き」「読み」「意味」の中で、特に「書き」を完璧にしておきたい。もちろん、他の二つの要素は3、4年生の時に大事になってくるので、意識して種まきをするけれど。1、2年生の漢字は、これ以上分解すると線になってしまう「基本漢字」からできていて、この後、学ぶ全ての漢字の礎となるからだ。やはり、基本漢字が書けるレベルまで持っていけていないと、なかなか、漢字の分解合成という視点を持てず、効率が悪い。
「書き」で押さえたいこと
- 画の種類や数え方
- 書き順には一定のルールがあること
- 漢字を分解合成 の視点で見る目
- 部品が合体して 新しく漢字を作るときの基本のルール
「読み」「意味」で押さえたいこと
- 漢字には音訓読みがあること
- 同じ音の 漢字は、訓読みを手がかりに区別すること
具体的に授業で取り入れること
◉ 読み、意味
- 音訓読みを両方入れる(音読みは中国からの読み方であることをスライドで年の初めに軽く紹介)
- ゲーム感覚でその漢字が当てはまる語彙探しをして、外来語、和語、漢語の感覚を養う。
- 語彙探しを通して、漢字には意味があることに気づけるようにする。
- リズム音読で読みが多い漢字に時々スポットをあて、「読み」を楽しくマスターできるようにする。
◉書き
- カタカナや既習漢字が出てきたときには、自分たちで見つけるようにして、漢字を分解する目を養う。
- 部品漢字が合体して新しい漢字ができることを「手つなぎ型」「おんぶ型」「集合型」などの表現で理解を促す。(合体型をイメージできるスライド準備)
- 漢字の書き順は細かく言い過ぎないが、原則は始めに抑える。(スライド)
- 書き順が間違えやすいものは取り出して意識的に指導する。
- 点の向きや言い方の使い分けを徹底する。
- 動作化やストーリー化をできる限り取り入れて、楽しく漢字の原理原則を学べるようにする。
- 確実に覚えられるように、ある程度は書く練習を取り入れる。
◉ 家庭学習
- 1年生は、まだ運筆も安定しないので、繰り返し書く宿題と簡単な短文づくり。
- 2年生は、3年生を見据えて、新出漢字を含む熟語探し、短文作り(音訓両方入れることを励ます)。
◉漢字テスト
- 1年生は、短文をディクテ方式で行う。少し時間の余裕があるし、文の中で漢字を使うということを学んでほしい。
- 2年生は、数も増えるし、個人差も出てくるので、市販の抜書き式漢字テストを使いながら、個人のレベルでアレンジしたい。(難しい子には量で調整、進んでいる子には熟語、音訓両方入った短文作りをプラスするなど)
- 定期的に小テストをしつつ、バカンスあけには前学期で習った漢字を使えるかを試すテストを考えたい。
- テスト用紙を綴り型にして、遅れても必ず直しまで見届けるようにする。
3、4年生の指導
3、4年生は、まさしく漢字に躓き出す時!ここで焦点を当てるべきなのは、「音」
3、4年生の指導で押さえたいこと
- 増える新出漢字を既存の知識(基本漢字や音訓の関係)を存分に活用して効率よく覚えること
- 同音異漢字や似た形の漢字が混合しがちなので、それを整理してあげること
- 抽象的な言葉、普段話し言葉では使わない漢語を意識していれてあげること。
具体的に授業で取り入れること
- 訓読みを手がかりに音読みの熟語を探し出すこと
- 同じ音を持つ別の漢字を意識させること
- 同じ部品を持つ別の漢字を意識させること
- 混乱しやすい漢字を意識的に指導すること
- 書き順が間違いやすい漢字を意識的に指導すること
- 「2つの点」を言葉でいい分けること(「ソ」「ハ」「縦に並べてちょんちょん」など。)
◉家庭学習
- 親の手も離れてくる頃なので、自分で熟語探しができる方法を具体的に指導する。
- 熟語をたくさん探してきた子、短文を作ってきた子を取り上げ、他の子に波及するようにする。
◉漢字テスト
- レベル差を考慮してベーシックなものにするが、発展問題として、熟語探しや短文作りを入れる。
- テスト用紙を綴り型にして、遅れても必ず直しまで見届けるようにする。
- 定期的に小テストをしつつ、バカンスあけには前学期で習った漢字を使えるかを試すテストを考えたい。
自分のメモ書きみたいな記事になってしまったけど、きっと、みんなも学年始め、いろいろ悩んでて、でも、はっきり方針を打ち立てる前に新学年突入となる人も多いはずなので、何かの参考になれば!