前の記事(漢字リズム音読〜中2の息子とチャレンジ)に書いたように、末っ子小2に続いて息子でも「リズム音読」を使って漢字学習に励んでいる。今日は、その後の進捗状況について書いておきたい。
目次
なるべく毎日、15分だけ守る
息子とは、毎日15分、本人が選んだ時間帯でということで続けている。正直に言って、楽しんでやってるとはお世辞にも言えない(笑)こちらから声をかけないとなかなかやらない。けれど、それでも、声をかければやるものと思ってやっている。きっちり自分で15分タイマーを設置して、それ以上はやらないけどでも、この15分っていうのはちょうどいいのかなと感じている。
覚えろと言わなくても覚えようとする
前にも書いたけど、小2の末っ子と違うのは、「ただ唱えればいい」とはならないこと。まず唱えたがらない。せっかくリズムよくノリノリになれるのに、それは断固として拒否してる。本人曰く、
「ノリノリになって言っちゃうと、リズムにのって言えてしまってるだけで、ちゃんと漢字を覚えないじゃないか」
せめて、声に出して音読するように声掛けしてるけど、これもなかなか。ただ、あまり強制するとやりたがらない年齢なので、本人に任せている。
意外だなと思ったのは、何も言わなくても、とにかく覚える努力をしている。学校での小テストの勉強の成果か? 例えば、ある程度、ページが進むと、先に進む代わりに「もう一度復習してもいい?」と聞いてきて、前のページに戻って読めるか確認したり、読みにくかった漢字には丸つけたりして、覚えようとしている。
なんというか、末っ子は、ただ楽しくママと音読する時間過ごすことが目標になっているのだけど、息子は、目的は、漢字を覚えることだと強く自覚しているように感じる。まあ、その通りなのだけど、年齢によって学習者の意識が随分変わることを改めて、実感している。
漢字の勉強というより語彙の勉強
具体的なやり方は、最初に一回音読して、わからない語彙の意味を息子が私に質問してくる。その後本人はぶつぶつ言いながら覚える努力をして、覚えたと思ったら、ふりがななしの漢字を読むテストをするという流れ。その過程で、次のような質問を投げてくる。
「〇〇ってどういう意味?」
「じゃあこの漢字って、いくつか意味があるんだね?」
「どんな風にこの言葉、文の中で使うのの?」
例えば、「裁」と言う漢字のところでは、
「洋裁ってどういう意味?」
「布を切って、針と糸で縫ったりすること。裁には、切るという意味があるんだよ。裁断という言葉もあるでしょ。」
「じゃ、裁判は?」
「どっちがいいか悪いか決めるところ。フランス語ではjustice」
「えー。全然意味違うじゃん。切るって意味ないよ。」
「確かに、裁判は実際には切らないけど、いいと悪いとを分けるわけだから、切っているのと同じじゃない?」
「なるほど」
こんな風に、私は、なるべく日本語で噛み砕いて、時々フランス語を混ぜて、説明している。あとは、息子が今、興味持っていることや息子の文脈に合うような短文を作ってあげたりして、なるべくその語彙を使えるように意識している。
親子理解の時間
6年生位の語彙になってくると、日本語でいくら説明しても子どもにはピンとこないことが結構ある。そういう時は、日本語で説明をした後、フランス語でその語彙を言ってあげるようにしている。が、フランス語の語彙を私が知らないと言うことも多々あるので、こっちもフランス語の辞書を片手に必死である。ときには、私の方がフランス語の質問を息子にすることも。
「拡大と拡張の違い」
のように、説明しようとすると難しい言葉もある。説明することができないわけではないけれど、その定義を覚えたとしても、実際の文脈の中で使わない限りは定着しないだろうなという言葉である。
私も、フランス語で使い分けられていないので、息子の感じる難しさ、これを漢字テストだけで丸暗記しても、どうせ、使えない虚しさがよくわかる。
結局、最近は、漢字の勉強時間というより、親子理解を深める時間になっているように感じる。私にとってのフランス語と息子にとっての日本語は、ちょっと似ている。
絶対なくてはならないものではないけど、あったらすごく便利なもの。
努力しないと身に付かないもの。
なんというか、息子と対等な立ち位置で、一緒に頑張ってる感が今までの子育てでなかった感じで嬉しい。
こんな心地よさって、どこかで味わっていた気がすると思っていたら、思い出した。子どもが幼い頃の「読み聞かせタイム」。長い目では、語彙習得っていう意味があったのだけど、日々ただ肌を寄せ合って読む、その時間をそのものを楽しんでいたよなと思う。考えてみれば、補習校に入り、宿題に追われるようになってから、「早く早く!」でそういう時間がずいぶんもてていなかったと反省。
というわけで、漢字リズム音読。本来の趣旨からは少しずれているかもしれないけれど、中学生でもこんな風にゆるりと使えている。漢字習得に成果があるかどうかは、もう少し続けてみないとわからないけど、でも、継承語として日本語を学ぶ息子にとって、続けられてるということ自体が、すでに成果だと感じている。