年末、なぜかとても落ち込んでいた。準備が済んでいた年賀状も結局出さずじまいになるくらい、落ち込んでいた。おそらく、少し、「燃え尽き症候群」気味だったんだと思う。
9月の新学年から、ミチムラ式の漢字ebookを本格的に使い始めて以来、それをとにかく、クラスでも、学校外で新しく始めた漢字クラブでも、自分の子どもにもとにかく活用してみようと、試行錯誤を繰り返していた。12月に入り、その過程を、マルチリンガル漢字指導研究会のプロジェクトslackに書き込んで一息ついたときに、ふと、
「使うことで精一杯で、本当に子どもたちにとって有効な方法だったのか」
と考え込んでしまったのだ。ただ、道具を使うことに必死だっただけじゃないかと。
しかも、他の方が作ってくださった教材を無理やり自分の子どもや生徒に当てはめようとしてただけじゃないかと。
でも、それは杞憂だった。年末、やや忙しさから解放されて、久しぶりにゆっくり小2の娘に向き合い、娘のつぶやきを聞いていたら、
大丈夫!!確かに、骨太の漢字力がついている!!
と実感できたのだ。
目次
骨太漢字力を実感した瞬間
一番の瞬間は、紅白歌合戦を見ていたときのこと。歌の歌詞を聞いて、下の字幕を見ながら、小二の娘がつぶやいた。
「あ、誰って、ごんべんに隹か。ならもう書けるな。」
これって!!!私が低学年のうちに身につけてほしいと目指していたことの一つではないですか!!!
漢字を部品の分解構成として捉えること。その部品を唱えて言えること。
さらっと成し遂げて、しかも、その力を自ら新しい漢字を学ぶ力に変えている!!
「すごーーーい!!」とはしゃぐ私の横で、娘はポカンとして、「何が?」と言っている(笑)
他にもある。
漢字のまとめテストをやる前に、唱えて復習することに付き合うと、
音訓の両方の読み
漢字を部品に分けて唱えて言う
の2つが驚くほどよくできている。そんなに練習をしているわけではないのだけども、かなりの定着率だと実感した。
もちろん、完全に覚えてないものもある。そんな時は、例えば「算」であれば、
「竹の棒をよく見て、両手で数えるだったから、たけかんむりと両手は何だっけ?」
と言うように、ミチムラ式で学んだ漢字の成り立ちをもとに一生懸命記憶をたどるとしている!
その横で、
「忘れてもいいんだよ!!それよりもそうやって、漢字の成り立ちとかを考えて思い出そうとしていることが素晴らしい!!」
と大絶賛してあげられる自分がいる!
骨太の漢字力をみとる
おそらく、漢字テストという形にしたら上の2人の同じ年齢の時の方が、よくできているかもしれない。漢字テストを目指して、何度も書く練習をしていたので。
でも、
漢字を合成分解する力
成り立ちを考える力
一つの漢字の音訓読みを押さえて語彙を増やす力
何よりも漢字学習を楽しむ力
といった骨太な漢字力がこの子には付いていると確信した瞬間だった。
私たちは、どうしても、漢字テストというわかりやすい、目に見えやすい成果を求めすぎてしまう。けれども、漢字テストをどんなに百点をとっていてもすぐ忘れてしまうことを、実際の場面でなかなか使えないことを経験上知っている。なので、見えにくいけれど、今回の娘のように、「漢字を学び続けていける力をつけているか」を丁寧にみとっていくことが大事だなと思う。
クラスでは、たくさんの子どもたちがいるのと、教科担任なので、あまり長い時間一緒にいられないので、なかなかそうした丁寧なみとりができない。それでも、去年から受けもってる子とを今年もった子、クラスの子とそうでない子の漢字を見る目の違いは感じる。何よりも、クラスの子どもたちが、家庭学習用にミチムラ式のebookや漢字カードを買って活用しているようなので、本人たちが効果を実感してるんだと思う。(ディスレクシア傾向があるお子さんなど、明らかにこの子にはこの方法が効く!と思わない限りは、私から強く購入を勧めることはしていないので)
というわけで、すごく落ち込んだ後、自信を持って、ミチムラ式の教材を中心に据えて、漢字指導続けていきたいと思った年始だった。
あー、年賀状、くださった方に返事を書かないと〜と思いつつ、ミチムラ式のebookで私が気に入っている使用法を皆さんにシェアしたいなぁと思ったり。
2022年もまだまだ漢字指導で試行錯誤する年になりそう(笑)。