もうすぐ小学2年生が終わりになる末っ子に、何とか2年生までの漢字の総復習をさせたい私。今やっている漢字クラブで補習クラスをすることになったので、末っ子も含む残る子どもたちにいくつか復習する方法を提案したら、意外なことに、
漢字検定過去問
が子供たちに人気で、それぞれ自分に合った級にチャレンジすることになった。
目次
漢検9級過去問の結果
うちの末っ子は、2年生なので、9級にトライ。
私の予想では、ギリギリ合格点に達しない位かなと思っていたところ、まんまとその通りだった(笑) 150点中111点。合格ラインが120点位なので、まさにもう一息。やっぱり、書きで点を落とす。前の記事に書いた通り、漢字の一部はわかるけど・・・というのと、漢字を知っていても語彙と結びついていないから書けない・・・の二つのパターン。
最終的に求められる力がわかって自立学習へ
ここから間違い直しへとどうもっていこうかと思っていたところ、末っ子は、この漢検の過去問を解いたことをきっかけに、大きく自立学習への第一歩を踏み出した!具体的には、自分でノートを取り出し、写真のように、自分が解けなかった漢字をミチムラ式eブックで他の読み方などを調べて書き出し始めたのだ。
覚えづらいふるとりの書き方も書き出すことにした様子
私は何も言わなかったのに、書き出した項目を見てびっくり。私のクラスで、子供たちに毎回の新出漢字学習の後に出している家庭学習とほぼ同じだったから。すなわち、
- 新出漢字を大きく書く。
- 音訓両方の読みを書く。
- その漢字を使う熟語を探す。
- その熟語を使って文章を作る。
私は書き順はそんなに必要と思っていないので書かせないのだけれども、末っ子本人はそれが必要と感じたみたいで書いている。
宿題と違って自分で必要と思って書き出している場合はエネルギーが違う。こちらがやれと言わなくても、時間を忘れて一生懸命取り組んでいる。
「どうして言葉を書き出すことにしたの?」と私。
「だって、漢字だけ覚えても、どの漢字に使うかわかってないと結局使えないことがよくわかったから。」と娘。
漢検の問題を解くことを通して、漢字力として最終的に求められるものは、どうやら娘に腹落ちしたようなのだ。だから、勉強の仕方が変わった。これぞまさしく自律学習の第一歩。この芽を大事に大事に育てていきたい。なぜここにたどり着いたのか、今日は、どなたかの参考になることを願って、少し巻き戻ししてここに書き留めておきたい。
自律学習への一歩を踏み出すまでのサポート
漢検の過去問終了直後は、本人のモチベーションもちろん下がっていた。が、「もう一息なんだよ、最初から合格点じゃつまらないんじゃない。もう一息だからやる意味があるんだよ。」と励まして間違い直しにとりかかった。
ヒントを出して「わかる漢字探し」
上2人のときには、この時に、正解を書き出してノートに何回か練習させるという方法をとっていた。でも、私も3人目! この方法だと子供うんざりすることを重々承知している。まずは、ヒントを出して、本人が記憶から取り出せるステップを踏ませてあげた。
例えば、「近」という文字が書けない娘に、
「ちょっとでも覚えてたら書いていいんだよ」
(しんにょう書いた娘に)「おお、しんにょう、覚えてたんだね! しんにょうって道を表してるんだったよね。近道って、グルンと回るところを、道を切って早く行っちゃうんだよね。ということで、ここには『切るもの』が入ります。」
と言って、斧を降るふりをした。そうすると
「わかった!おのづくり!」
と言って答えを見つけると言った具合だ。
このテストを添削してくれた私のパートナーの先生も、こんな風に答えを書かず、ちょっと考えさせるような上手な添削をしてくれてる。
漢字を並べて、そこから答えを探すステップをふむ
それでもわからなかった漢字は、私の方でランダムに答えの漢字を書き出しそこから選ぶという方法にした。
そうすると、当然読める漢字、形を知っている漢字もあって、「言葉の意味」を考えながら漢字を当てはめるという、単純作業ではない頭を使った学習になる。
例えば、「来」という漢字を見て、
「え?未来の来ってどっかに入る?あーそうか、来週か!未来に来る週だから、未来の来を使うんだ!」」と興奮気味に学んでいる娘の姿があった。「じゃあ、未来の未にはどんな意味があるんだろう?」とも言い出し、こうなると芋づる式に学びが広がっていく。
その後、自分が全然見当もつかなかった漢字については自分でノートに書き出すことにしたのだ。それが、上記のノート。
ピア効果を活用
このノートに書き出す自律学習が唐突に生まれたかというと実はそうではない。実は漢字クラブで1つ上の男の子が、ノートに家庭学習をしてきたのをチラッと見たのだ。いいなと思うのはその子のノート参考にしながらも、全く同じ様に書くのではなくて、自分が必要と感じた漢字、項目を自分なりに工夫して作り出したこと。
それにしても、やはり、子どもたち同士が刺激し合う、ピア効果の大きさを凄く感じるし、これを最大限に引き出さないとなと改めて思った。
ちょっとしたお楽しみを用意してあげる
そもそも、漢字クラブにその男の子がどうしてそういうノートを書いて持ってきたかと言うと、前の記事に書いたように、「わくわく漢字忍者修行カード」というの作って、最後の欄に「家庭学習」というのを作ったからだった。
何かいつも人に言われるままにこなしていくのではなくて、自由に発想してやってほしいという思いで作ったこの項目、見事にプラスに働いてくれてとてもうれしい。
子どもってこんな紙1枚でずいぶんやる気になってくれるもの。この紙によって、自分の頑張りが可視化されるのも嬉しいのだろうし、スタンプ集めてくじをゲットしたいという小さな楽しみのためでもある。
漢字自律学習に向けて少しずつ少しずつ歩みを進めている娘、それを1人でも多くの他の子どもたちにも広げたい。そのために教師や親ができる事は、こんな風にちょっと手を添えてあげることだと改めて思った。
「ちょっと手を添えてあげる」というのがわかるようで結構難しい。少なくとも私は上2人のときにはうまくできた記憶は無い。その反省も含めて、この記事を通して、次の人にうまくバトンが渡っていくといいなと思う。