タイトルに続くのは、
語彙に合わせた漢字を選ぶこと
小3になった娘。もうすぐ漢検9級を受ける予定だが、すでに合格圏にバッチリ入っていて、2年生の漢字は全てマスターしていると言える。
それでも、学校の宿題で出た漢字プリントをやっていたら、書けない漢字があり、むむむと唸る私、本人はガックリ。
書けなかったのは、
「さむ気」と「ぶたいの上手」
元気の「キ」とわかっていても、「ケ」の読み方は咄嗟に思い浮かばない。音だけ聞いて、「さむ毛」と書いていた(笑)
舞台の上手は、「紙手」と。
漢字の読み方は音訓の両方を知っている。漢字の形も書ける。でも、それぞれの語彙に適した漢字を選ぶのが、やっぱり難しいのだ。
難しさの理由は2つあると思う。
目次
同音異漢字の壁
漢字には同じ音の漢字がたくさんある。小学校3年生位になってくると、このように同じ音で読む漢字がいくつも出てくるので、子どもにとっては難しくなるのだ。
数十個も同じ読みがある漢字もあるのだから、どれ選ぶか、迷うのも当然だ。この辺りが、日本に住んでいても、多くの子どもがぶち当たる9歳、10歳の壁だろう。
語彙を知らない
同音異漢字の中から適切な漢字を選ぶためには、漢字それぞれが持っている意味を考えればいい。
「寒気」が「寒い感じ」「寒く感じること」みたいにおぼろげにでもわかっていれば、「毛」の字が当てられるのはおかしいと気付けるはずだ。
この辺りが、海外で育つ子が不利な点。うちの子は、「寒気」「舞台の上手」も知らないので、予想のしようがないわけだ。ここで、改めて語彙力の大切さを再認識しつつ(語彙性効果)、イメージをはっきり持たせることを意識して(心像性効果)面倒くさがらずに画像を見せてあげれるものは見せてあげようと思う。例えば、ここなら、舞台の画像をみせてあげながら上手の方向を印象付けようと思う。また、繰り返し出会うことで身につく(頻度効果)ことも考えて、今度何か舞台を見に行った時は、「上手(かみて)」のことを思い出すようなクイズをしようと思うのだった。
新しい勉強法〜リズム音読作り!
さて、漢字の読みには「一貫性」がないことを嘆いても仕方ない。それが我々日本人が使う漢字なのだから。
そこで、私が娘にかけた言葉は「だから、漢字って難しいんだよー。同じ読み方の漢字が沢山ある。だから、せっかく漢字一字を覚えていてもつかえなかったりする。」だった。
10年前だったら、「だから、漢字は言葉と一緒に覚えなくちゃいけないんだよ。漢字1字じゃなくて言葉で3回練習しなさい」だったと思う。
我ながら、ちょっと成長したと思う(笑)まずは、難しいと感じている子どもに共感してあげる。どこに躓いているか、俯瞰する。
そしたら、娘から、「だから、漢字の勉強の時に、その漢字を使う言葉探しが必要なんだね」と言ってきた。
このチャンスを逃してはならない。「そうだね!」と言って、前からやりたかった、ミチムラ式eブックと漢字リズムを音読の掛け合わせを娘に提案してみた。
やり方はこうだ。
新しい漢字を学んだ後、eブックの右の写真付き語彙を使ってリズム音読を作るのだ。
娘は、最初は、意味とリズムが両方うまくいくようにと欲張っていたが、それは難しいことがわかったので、語呂の良さを最優先にして作っている。時々、意味もうまくつながると、2人で大喜びでリズム音読をしている。
いくつか、娘の作ったリズム音読を紹介!
ゼンゼンゼンゼン 全然ダメ、全体、全国、全く知らない
ジュウジュウジュウジュウ 住む場所住所 住む家探す 都心に住まう
けるける助ける 救助、援助、手助けするから助手になれ
ベンベンベンベン ガリ勉、勤勉、勉学、勉強、休んでおやつ
前から、新出漢字の練習のときには、その漢字を使う短文を書くように言っていたけれども、この語彙をリズムを音読にし立てるようになってから、娘は楽しく勉強できるようになった。正直、時間は前より倍ぐらいかかる。でも、本人がそれをちっとも苦痛に感じない位、楽しんでいるのでこれが1番だなと思う。しかも、自分が作ったリズム音読だと、前に書いたものも、ノートを開くたびに体を揺らしながら音読している!!
最近つくづく思うのは、「好きこそ物の上手なれ」ならぬ「楽しいこそ物の上手なれ」である。
漢字が簡単に覚えられる、効率よく覚えるなんて、そんな魔法みたいな方法はやっぱりない。
そうでなくて、やってることが苦にならない、時間が経つのも忘れてしまう、そういう楽しい漢字学習法を見つけることが大事なんだと。
これはいい!と味をしめた私は、早速クラスでも取り入れようと試みた。
例として、一つリズム音読を取り上げてみた。大好評だったのだが、いきなり自分で作るのはやはり難しかった様子。
なんだかんだ、うちの娘はリズム音読を本格的に始めて、もうすぐ2年になろうとしている。その積み重ねの大きさを感じもした。
ようし!長期戦略を練って、クラスでも使ってみるぞ!とまた新たな目標ができて、ワクワクしている。