前回のつづきで、松田先生のセミナー備忘録。
目次
やってはいけないこと
①読みにとどめる。
ついつい、私たちは「読み」ができたら「書き」と思ってしまうが、幼児の段階では、書きまでやらないほうがいいというのが先生のご意見。
→これは漢字に限らずひらがなでもそうだと思うけど、教師に限らず親もなぜか初期の文字指導の「書き」には異様に熱心である。それが、往々にして子供が自由に伸びる芽を摘んでしまっていることが多いので、松田先生の意見に大いに賛成した。
②間違いを指摘しない。
万一、幼児が自分から書いた場合には、間違っていても間違いを指摘せず、ひたすら褒める。
→これもあるあるの話。多分、どうしても、「最初に間違えて覚えたらずっと間違えてしまう」という強迫観念があるんだと思う。でも前回書いたように、
子供の書く漢字は字ではなく絵
思っていれば、この泥沼に足を突っ込まないですむ。意気揚々と「難しい字」を書いて見せに来る子供の出鼻をくじくような事はしたくない。
③漢字を単体ではなく熟語で教えていく。
これはさすがに先生ではいないと思うけど、親は基本的には、幼稚園の時から小学校の先取りをしようと、1年生の漢字の一覧表を子供の覚えさせてしまうとしまいがち。この時、漢字を単体で教えてしまうことが多いけれど、子供にとっては、具体物のほうがうんといいし、実際にそれを使う画面の熟語で教えていた方がずっと定着が良いのはよくわかる。
④実社会で漢字で書くものは漢字で書く。
これもよくありがちなことなのだけれども、子供がひらがなを習得して漢字を学び始めると、習った漢字は漢字で書き、残りは全部ひらがなで書くといったことを周囲は始める。
これは一見親切なんだけれども、これもやっぱり子供の学ぶ力を削いでしまっていると思う。そもそもひらがなで書かれた時点で、分かち書きなどしない限り、どこが単語の切れ目かが分からなくなり、意味もわかりにくくなる。その上、実社会にはそういうものが存在しないので、漢字で書かれた時点でわからないと判断してしまう。何が書かれてんだろうと想像する機会を奪ってしまうのだ。さらに後始末が悪いことには、こういうことに慣れていると、
「先生、その漢字まだ習ってません!」
と、いちいちこちらの板書に対して文句をつけるようになってしまう。
効果的なインプットの方法
①ルビの降り方
先生のオススメのルビの振り方。
縦書きなら左側に
横書きなら下側に
つまり、私たちが通常やってしまうこと、本などでされていることの逆!
これはもっともなことだなと思った。
私たちが物を読むときの視線の移動の仕方について、先生が指摘されていたのですが、ルビが先に目に入ってしまうと、漢字に目が届かないので、いつまでも読めるようにならないという話。なので、わざと見にくくすることが、漢字に触れる機会になり、読めるようになるのではという話。
ルビがあると、なかなか読めるようにならないので、これまで「少しずつ消す」という方法をとってきたけれども、その工夫だけでだいぶ変わるかなと思った。
②漢字は「学ぶもの」ではなく「そこにあるもの」という環境づくり
先生がお勧めしたのは、付箋に物の名前を書きそのものにペタペタ貼っておくという方法。
インテリア的には厳しいけれども(特に、ヨーロッパ人は、トイレに暗記するもの貼るというのも許せない人種!)、時々そういうことやってみてもいいなと思った。
ある日、学校から帰ったら、教室に入ったら、そこら中に付箋が貼られてて、なんて読むのか予想する。1回剥がしてから、もう一度子供が貼ってみるなんて活動を1度するだけでも意識はずいぶん変わると思う。
というわけで、本当に学びの多いセミナーだった。
また、自分の子供やクラスの子供といろいろ試してみて、効果があった事は、記事にしたいと思う。
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