ファシリテータを務めるマルチリンガル漢字指導法研究会、それぞれ対象とする子供たちの年齢もレベルもまちまちなので、大体のレベルで「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」と分け、二つの部会が誕生!
「ジャンプ」期になると、万人に効くやり方というのが、なかなかない。漢字が難しくなる子も多いし、本人の得意や好み、興味に合わせたり、機を捉えた一押しが大事だなと思う。
「ジャンプ」期に関わらず、机上の勉強をうまく日常生活に結び付けたり、また、その逆、日常生活での疑問を学習に結び付けたりすることが大事だと思う。
でも、これって意外と難しい。
そこで、誰かのヒントになればいいなと、私の日々のちょっとした家庭での実践をシリーズで記録していくことにした。
目次
子どもの質問への初めの反応
「え?これ、訓読みじゃないの?」
公文で、漢字の学習をやっていた時の中1になりたての息子の質問。
「胃(イ)や腸(チョウ)って、どうして訓読みじゃないの?」
こういう「What」ではなく「Why」の質問を子供が投げかけてきたときには、自分が答えを知っていなくても、まずは褒めてあげることが大事だと思う。
「おお!いい質問!」
「考えたことなかったけど、そういえばそうだね、鋭い質問!」
とかいう感じで。
今回の私の返し。
「いいことに気づいたね~。音とか訓とか意識しているって相当レベル高いよ。」
質問から一歩踏み込む
上の返しで止めてもいい(止めた方がいい時も多々(笑))けど、今回は踏み込んでみた。
「音訓読みって、それぞれどうやって生まれたか知っている?」
『中国から来たか、日本のもともとの言葉かでしょ?』
「おう、さすが!だから、音読みで意味がわからない漢字でも訓読みにするとわかるんだよね。胃や腸に、訓読みがないのは日本語にはその言葉がもともとなかったのかもね。どうしてだろう?」
『…』
「やっぱり医学は中国の方が進んでいたからかなと思うんだけど、どう?」
『なるほどね。』
「こんな風に日本語に馴染んじゃって、訓読みに勘違いしちゃう言葉ってほかにもあるんだよ。」
『あ、なんかそれ学校でやった気がする。』
「そういうのばっかり集めたプリントがあったな。やってみる?」
質問から拡げる
ということで、漢字がたのしくなる本ワーク⑥【リンクは記事最後に!】の以下のページをあげた。
このワークは、ドリルみたいに使うのではなく、こんな風に
機を捉えた学習
に使うと有効だと思う。
「藩」「盆」「尿」は言葉自体の意味を知らなかったけど、消去法と文脈から中々の健闘を見せていた息子。知らなかった言葉はサクッと教え、最後の一押しは、
「音読みと聞いて、意外だった漢字を5個、選んで!」
息子が選んだ漢字は、以下のもの(全然5こじゃないけど(笑))
駅、門、列、罰、客、肉、鉄、絵、金、銀、銅、線、本
正直な話、私もこれ?音読みかぁ?と字典を引くのも幾つか。
「そうだよね、迷うよね~」
で、終わった一押しだった。
親が変われば子どもも変わる!
少しずつだけど、漢字を使いこなすためにまた、漢字を推測するために必要な
漢字の本質をつく質問
息子がするようになって、嬉しい。
前は、「どう書くの?なんていうの?」という質問しか出てこなかったのに!
どうやって息子が変わったのか?
道村先生のセミナーを受けたこと
学校の授業
認知的な発達
などもあるだろうけど、多分
私が変わったこと
が大きいと思う。私の働きかけが変わったから、息子の学び方が変わったんだと。
どうしてかというと、マルチリンガル漢字指導法研究会を2019年3月に始めて、ゆっくりではあるけど、
漢字への理解が深まり、自分の中の「知識の引き出し」が増えたこと
そして、
メンバーからいろんな子どもへのアプローチの仕方を学んだ
からだと思う。感謝!
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