6月末に引っ越しをした。
引っ越しの荷物の中からセミナーの資料らしきものが出てきた
2010年に桜美林大学で行われた
「第2回 継承語教師養成ワークショップ」
自分で出た覚えは全くないので、どなたかが私に参考になると思うと言ってくれたんだと思う。
そこで、バイリンガル教育で有名な中島和子さんが
「母語と継承語との違い」
について発表されている。その中で、私がここのところずっと、モヤモヤと言語化できずにいたことが書いてあった!!
人にその言語の母語者だと思われる言語(できないと恥ずかしい思いをする)
そうなのだ!!
「継承語」の辛さは、どこか
出来て当然。出来ないと恥ずかしい
思いを本人がするのだ。
それが、「外国語」と違うところ。「外国語」として身に着けたもう一つの言語は、たとえそれがどんなレベルであろうとも、プラスに身につけたものとして評価される。
なのに、「継承語」は、できて当たり前。そして、どう頑張ったって、
一つだけを一つの文化に漬かって学ぶレベルに達するはずがない
のに、それと比べて、いつも
「足りない」
と引け目を感じてしまう言語なのだ。
ちなみに、中島和子さんが当時掲げている両者の違いを表す一覧は以下の通り。
〇母語
習得順序・時期:一番初めに覚えた言語
到達度:最もよく理解できる言語
使用頻度:最も頻繁に使用できる言語
アイデンティティ(内的):アイデンティティがもてる言語
アイデンティティ(外的):人にその言語の母語話者だと思われる言語
〇継承語
習得順序・時期:一番初めに覚えた言語
到達度:学校言語のプレッシャーでフルに伸びない言語
使用頻度:家庭中心
アイデンティティ(内的):アイデンティティが揺れる
アイデンティティ(外的):人にその言語の母語話者だと思われる言語
(できないと恥ずかしい思いをする)
継承語の特徴は…
◆家庭言語
- 家族との会話では、簡単な一語文が多い。
- 読み書きの機会がほとんどない。
- 会話のトピックが日常茶飯事
◆4技能がアンバランス
- 聞く力が最も発達
- 話す力は一見流暢であるが、まとまった話が不得意
- 読解力と作文力は4年遅れ
- 敬語意識が育たない
- 段落構成の欠如
- 「です・ます体」と「だ体」の混用
◆継承語に現地語が混ざる(混ぜないと話せない)
どれもうなずくものばかり…。
これが、3世以降になってくると、また様相がガラッと変わってくるんだろうな。
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