昨日に引き続き、バイリンガル、バイカルチャーに育つ子が長期に「外国」に滞在したときにぶつかる壁。
水田さんの場合は、ご両親が日本人で駐在で在米だったけど、国際カップルは「外国」という言葉が、琴線に触れてしまうかもしれない。それはさておき、共通点は多い。
① マイノリティーとして生きる自由と不安
日本にいれば、「日本人」ということを意識しないけど、いつも周りからは、「日本の○○さん」と思われ、尊重もされ、区別もされている。
食文化も行動様式も、滞在国に影響を受けながらも、どこまでも日本の要素が残り、良くも悪くも周囲からは「特別」なマイノリティー。
で、言語の習得、教育などは、このシリーズの①でも書いたけど、親子ともども、選択の連続で…限りなく自由で時に、これでよかったのかと、不安に苛まれる。
②現地の価値観に合わせた学習態度を身につける
「人の話を最後まで聞きなさい!」と日本では言われるのに、聞いていたら、
「この子は授業に参加しない」とアメリカでは言われる。
「速く、正確に、丁寧に」が
「自由に、自分らしく、大事なことだけに集中して」に。
滞在期間が長くなってくれば来るほど、家庭の価値観とは離れて、メインストリームの文化に馴染んでいくしかない。
③母国語のモチベーションの保持
滞在国に馴染めば馴染むほど、子どもは「何で日本語しないといけないの?」という。興味深かった話が二つ。
一つは、いつクライシスが来るかということ。水田さんは、
クライシスは、小学校4,5年、 中学校2,3年
で来るという。小学校4,5年は、私の経験からもうなずける。
小4で漢字の学習がと飽和状態になり、
小5で国語の教科書に漢語が占める割合が急激に増え、
自我も芽生え、
「嫌だ!」となる。
中2-3は、どうかな。そこまで自分の意志で行った子は、
滞在国でやりたいことと天秤にかけて、
現地の学習だけで手いっぱい、
「もう、無理!」となる。
水田さんの話では、辞めた後、高校2年生あたりで、後悔するそう。
ご自身は、高2である時、ハッとしたそう。
「今までやってもやってもどちらの言語も7,8割しかできないという感覚がいつもあったのに、急に一つやると1.2倍くらいのスピードで学習が進む」
という感覚になったそう。ここまで、親も子も持っていけるか、だぁあ(笑)
もう一つは、高学年になればなるほど、目標設定を上手にすることの大切さ。
私もこれは常々思う。ただ、将来役立つ、あなたは日本人だからといっても…
はっきり結果が分かり、
それが子供にとって実質的に役立つ資格
のようなものが必要。
例えば、うちの場合は、フランスバカロレアの日本語オプション。
アメリカなら、AP(Advanced placement) などが、いい。
このAP、あまりまだよく知らないのだけど、高校卒業時に大学の単位を先取りできる仕組みで、日本語でこれがあれば、大学1,2年の一般教養で「外国語」の取得が免除される。その時間は、他のことを学んでもいいし、何よりも、単位ごとに授業料を払うアメリカの大学では、〇十万の単位の節約になるようだ。
最後に、水田さんの珠玉の言葉を
「バイリンガル。悩みは深い、どん底に陥ることもある。でも、それは、自分の人生を選んでいける招待状」
招待状という表現が憎いですねぇ~切符ではないんです!
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