ブログの読者の方から、こんな質問をいただいた。
『「ミチムラ式」と「その他の唱える系の教材」と何が違うんですか?』
これはよく聞かれる質問。色々出ていますものね、唱える系。
一言で言うと…
「その他の唱える系」は、のどあめ
ミチムラ式は、漢方
目次
線で捉えるか部品で捉えるかの違い
ミチムラ式は、漢字を部品で捉えているのに対して、その他の唱える系は、高学年になっても線で捉えて、唱えさせる。
例えば…二年生の漢字「交」
ミチムラ式では、「なべぶた、ハ、左はらい、右はらい」
レベルアップバージョンは、「なべぶた、ちち」
唱える系では、「てん、一、ハをかき、左右にはらう」
「なべぶた」という部品はこれから何度でも出てくるから、そう覚えちゃった方がいいし、二年生で「父」という漢字を習得するのだから、そのまま覚えてしまえばいいと私は思う。
ミチムラ式はそんな風に、繰り返し出てくる「部品」は覚えちゃった方が効率的だよ、まだ習っていない基本漢字でも漢字の一部に出てきたら、さっさと覚えてしまうように促す。
ちなみに、教科書に沿ってやっているなら、一年生ですでに「校」も習得済みなので、復習を兼ねて、一年生ですでにこの漢字が入ったもっと難しい漢字を習っているよ!」といってもいいかも。つまり、子どもがすでに持っている知識をうまく引き出したり、今後出てくる漢字に布石を打ったりしながら、進んでいくのだ。
この漢字を構成する元となる「部品」は、「部品カード」というのも別に用意されていて、部品の意味を調べたり、部品だけを復習することもできて、子どもの知識を有機的につなげていくことに役立つ。
たくさんの子供たちを見てきたが、とにかく、線で漢字を捉えているうちには、小学校3年生位で頭打ちになる。なんでも、人間はバラバラのものを500以上を記憶するのは難しいらしい。だから、正しく漢字の数が500を超えた時点(小学校3年生頃)で、丸暗記は難しくなるんだと思う。
加えて、線で捉えていると、
「青」の下を「月」のかわりに、「日」と書く
といった些細な間違いがどうしても増える。
ただし、ミチムラ式で「基本漢字」と呼んでいる「これ以上、分解すると線にしかならない漢字」についてはどちらでも同じことなので、低学年のうちは、イラストなどがかわいい「その他の唱える系」に軍配が上がるかなとも思う。
「漢字の奥にある楽しさ」か「言葉遊び的楽しか」か
2つ目は私はこちらの方が理由として大きいかなと思うのだけど、ミチムラ式が導こうとしているのは、
漢字の奥にある楽しさ
漢字には成り立ち、部品でつながっていること、音でつながっていることなど、
漢字の原理原則
につながっている。
たとえば、「早」。
ミチムラ式は、「日、十」「そうちょうのそう、はや_い」
解説は「朝、お日様が地面から少し出たところと考えてもいいですね」
「その他の唱える系」は、「日曜日、十時だ、早く出発」
ミチムラ式の方が、漢字の成り立ちや部品の意味にせまっていて子どもの想像力をかき立てる。
今までのアナログのカードだと、なかなか素人にはその世界まで導きにくかったのだけれども、新しく出たデジタル版では、道村先生の解説、成り立ちの説明がついていて、親でもちょっと意識すれば、漢字の楽しさに導くことができるはず。むしろ、子供が自由にいじくってるうちに、子供自身が発見するような気もする。
「その他の唱える系」は、イラストもかわいいし、言葉遊び的な楽しさもあり、「今すぐ」子供の興味をそそることができるけれども、応用力がなぁと私は思ってしまった。
ディスレクシア傾向の子供への配慮
後は、ミチムラ式は盲学校生まれというのもあって、見え方に非常に心を砕いている。フォントや色、配列など特性を抱える子供にも見えやすいように気を配っていて、ユニバーサルデザインである。読み書きに特性がある子にはおススメである。
結論
と言うわけで、私は長い目で見れば、ミチムラ式がいいと思ってるけれども、「その他の唱える系」は値段も手頃だし、子供がそれに飛びつくんであれば、試してもいいとは思う。子どもが楽しいと思うのが一番なので!
それと、ミチムラ式は「漢方」なので、やはりどこかで親や指導者が寄り添ってあげないと、買い与えただけでは、子どもはなかなか使いこなせないとは思う。
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