漢字リズム音読に出会ってからよく考えたらまだ一年もたっていない。
それなのに、一目ぼれして(笑)、公私問わず使いまくり、著者の小野ふじ子さんとマルチリンガル漢字指導法研究会のメンバーとセミナーまで開いている。
考えてみると、すごいスピードだ!それだけ、早くほかの人にも使って、長年苦しんできた、継承語教育の漢字の壁を越えてほしいという思いがあるのだ。
さて、これまで、娘との我が家での使い方の紹介だったが、クラスでも使い始めているのでどんな風に使っているのか紹介したい。
目次
教科書の単元末の学習事項と絡めて
最初は新出漢字の導入の時に、リズム音読で熟語を一緒に覚えてほしいと考えた。少し準備を始めたのだけども、断念した。理由は、
自分が今年持っている時間のリソースで1年間続ける自信がなかった。
「書き」が必須なので、全てを時間内に盛り込むと、生徒が消化不良を起こすと思った。
本当に、リズム音読が有効かその時点で自信を持てなかった。
でも、部分的に取り入れるところから始めたいと思って、教科書の単元の終わりの方にある学習事項(往々にして重要事項であることが多い)と絡めて使わせてもらうことにした。
漢字リズム音読は音節ごとに整理されているのだけれども、検索にかけ、1つの漢字の全てを作った。
ここが大事!
全体⇒個人⇒全体の流れを作る
みんなで音読すると子どもたちは嬉々としてノリノリで音読するが、もちろんそれだけでは習得できない。なので、家庭学習につなげる必要がある。以下のようなプリントを作り、家でも学習できるようサポートした。家庭学習をきちんとそれを見届けてあげないと、やっぱりそれが続かない。ということで、短時間ではあるけれど、次の授業で確認するようにした。
難しい熟語はイラストで!ワイワイと!
すでに辞書の学習ずみではあるが、漢字の学習の時にいちいち調べることは子どもにとってハードルが高い。そして、意味がわからない言葉はやっぱり覚えにくい。なので、教室で皆でイラストを見ながら「あーでもないこーでもない」と言いながら語彙を習得するステップが大事。
ここが集団授業の良さでもある。
子どもたちが自分の体験と絡めて使う場面を話したり、文を作ったりする交流が子どもの記憶に残る。
実は、これ、補習校に通っていたころの息子の宿題を手伝いながら気づいたこと。
補習校の授業で先生がこういう交流を作り出してくれるときと、書き順に気も時間を取られているときとでは、家に帰ってきた時点での漢字への理解度が全く違うことに気づいたのだ。
ただ、言葉だけだとついていけない子もいるとクラスでは感じて、そこにイラストや写真などを取り入れることにしたのだ。
練習回数の目安を示す
小さいことのようだが、「まずは、ルビ入りで必ず5回音読!」というのを入れている。というのは、1~2回読んだだけで、もうできたと思い込む子、それでできないとむしゃくしゃする子がいるからだ。(うちの子!)
全体ではランダムに指名
全員のリズム音読を聞くことができないので、数名ランダムに示し、みんなの前で音読してもらうことにしている。初めは希望者にしていたが、だんだん固定化してきてしまうのでランダム指名に!いつ自分が指されるか分からないので、子どもたちにほど良い緊張感が走る。
クイズで定着を一押し
ただ、音読して読みになれることだけでも精一杯なお子さんもいる。その場合は、ここでストップしても十分。だけど、もう一押しすれば、さらに学習が深まる子どももいるので、以下のようなクイズを用意した。
上から順番に「同音異義語」「送り仮名」「語彙強化」「類義語」を意識して作ったクイズだ。
効果のほどは?
子どもたちのウケがすこぶるよかった!すべてのレベルの子が大喜びで練習してきた。普段、宿題の提出率が低い子もこぞってやってきたし、できる子は、早口で読みたがり、「タイムを競争!」と言うと競って練習し何度も聞いてほしがった。そうこうしてるうちに、数も少ないこともあって、あっという間に読みは習得!
というわけでまだまだ思考錯誤中だけれど、今年は、無理して新出漢字導入で使わなくてよかったかなと思っている。少ない量だから、こちらも準備に時間が避けたし、クイズなどで深めることもできたから。
子どもも教師も、あまり無理すると、結局続かないので、余力を残しながら長く続けるのも漢字学習のコツの1つかなと思う。