ひらがながほぼ全部読めるようになった5歳の娘は、
ひらがなが表音文字であることを理解
して、五十音表の助けを見ながら、書くことへと移っていっている。
書けることで、どんどん世界が広がっていくのが、見ていてよくわかる。
お誕生会の計画を立てて、ママに伝えられる。
いいにくいことも、お手紙にして伝えられる。
こんな娘の様子を横目で見ながら、長男が5歳の時の思い出を苦い気持ちで思い出していた。その時は、日本の地方都市で保育園に通わせていた。
ひらがなを覚えたての子供たちは、とにかくそれを使いたくて、家で友達に手紙をしたためて、保育園に持ってきて渡すのが流行っていた時期であった。
「今度遊ぼうね」「いつか、家に遊びに来てね。」などという、他愛のない、かわいいお手紙交換である。息子は、あまり字を書くことを好まなくなくて、保育園から家への道のりを地図に描いて、それを返事として友達には出したりしていたが、こうやって字を覚えていくんだなぁと微笑ましい思いで見守っていた。
ところが、保育園の懇談会の時に、1人のお母さんが先生に向かってこんなことを言ったのだ。
「お手紙交換が流行っているけれども、もらえない子がいたり少ない子がいたりしてかわいそうだから、禁止した方がいいのでは?」
その方は、小学校の先生だったので、若い保育士さんは余計ドギマギしてしまって、
「そうですよね。一応子供たちにはダメと言っているのですが、隠れて渡していることもあるようです。どこまでそれを咎めるべきか、迷っています。」
とご返答。そして、同じように小学校の先生だった私に、意見を求めてきた。
私は、開いた口が下がらない位びっくり。そして、この日本特有の
表面上の公平さ
にやたらこだわることにうんざりしたのを覚えている。
そんなことを、先生がコントロールすることじゃないだろう!!!!
というのが私の本音だった。字を覚え始めて嬉しくて使いたがってる子供たちにどうしてそんなこと言わなくていけないの?
手紙の数が多ければいいと言うものでもないし、平等に出すように言われてでもらった手紙なんて嬉しいか?
表面上で親や先生が子供たちの関係をコントロールしたツケは、必ず陰で出る。現実の世界において、人気のあるなしは絶対にあるわけで、人気が欲しければ、それに見合う努力を本人がすればいい(うちの息子は、あまり返事を書かなかったので、だんだん手紙の数も減っていて、それはそれで良い勉強になったと思うのだ)
こんなことを、何とか相手のメンツを潰さないようにと思って伝えたけど、多分つぶしてたと思う(笑)
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