シリーズで書いている「唱えて覚える漢字指導法」を読んで考えたこと。
私にとって一番よかったのは、
どうして漢字学習が難しくなるのかを、学年段階を追って把握できたこと。
普段の生活で漢語をほとんど見聞きしない子供たちにとって、
3年での音読みの導入時、
4-5年とどんどん増えてくる同じ音読みの漢字の数々、
4-5年生から増えてく具体物を見せられない抽象概念の言葉
と、信じられないスピードで難しさが重ねられるわけだ。
が、教える方は、それをあまり意識せず、「習うより慣れろ」と言わんばかりに、書きの練習を繰り返させてしまう。漢字に囲まれて育っている子供たちには、それでもうまくいくケースも多かったのだろうが、海外で暮らす子供には、指導する側が、この難しさを理解して、幼稚園段階から戦略的に取り組む必要があるだろう。
そこで、粗々っと、学年ごとに指導者が気を付けるべきことを整理してみた。ただし、これは、プロフィシエンシーバイリンガルを目指す場合の目安であり、パーシャルバイリンガルの場合は、とりあえず、小学校3年生の漢字マスターを目標に頑張り、あとは子供の様子を見ながら、目標設定を微調整するといいと思う。
プロフィシエンシーバイリンガルを目指すなら、漢字学習に語彙を増やすための伏線をはる必要があるので、それは「語彙を増やすための支援」として、学年を追って右列につけてみた。
学年 |
漢字学習指導上の留意点 |
語彙を増やすための支援 |
幼 |
・字には書き順があることをしっかり押さえる。 |
・絵本の読み聞かせ |
小1
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・漢字指導の前に片仮名指導をしっかり行う。
・基本漢字、初出部品は、書く練習も含めて徹底 する。漢字は部品の組み合わせであること、書き順 の規則性を体得させる。
・音訓読みを同時に学ぶことの大切さとその方法を 教える。 |
・絵本の読み聞かせ ・子どもの手が届く場所に 本を置く。 ・低学年向けの本を自分で 読む習慣をつける。
・中学年向けの本の読書に 移行できるように差し 向ける。 |
小2
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小3
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小4 |
・量が多くなる上、子どもの自我も芽生えてきて、親 子共々めげそうになる時なので、漢字学習をゲー ム感覚で楽しめる、達成感が持てるような仕掛け づくり。 |
・日本のニュースを聞いた り、子供向け週刊新聞、 雑誌などを身近に置い たりして、漢語に慣れ る。 |
小5 から |
・漢字学習は語彙学習の場面でもあると気持ちを転 換させる。わからない言葉の説明を日本語でした 後、第一言語の言葉に翻訳してあげる。 |
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