夏のフランスの帰省では、毎年毎年、何か問題があり、私の問題解決能力が試されることになる。最初の頃はとてもイライラしたんだけれども、最近はメンタリティーが変わり、何かあると思ってフランスに入るので、何もなく、スムーズに行った時に喜ぶようになった。何事も捉えよう!
今年の問題解決の日々を忘れないように書いておこうと思う。
目次
車のバッテリーが上がってる!
諸事情でフランスに車を置いてきている私たち。夫が5月の出張の時に「車を確認してきてるから大丈夫!」太鼓判を押してくれてたので、何も心配していなかったのだけれども、なんと!鍵を刺しっぱなしだったために、バッテリーがあがってしまっていた。
車の事は何もわからない私。夫に電話すると、「そんなこともあろうかと、普通のコンセントから電気を充電する機械を買っておいたからそれを使って!」との指示。息子と取扱説明書を見ながらセットしてみたけども、どう見ても作動してない様子。それでも、「一晩つけっぱなしにしとけ」と言うので、そうすることにした。
何をしようにも、その日はフランス革命記念日で祭日。フランスでは、祭日にはどこもやっていないのだからどうにもしようがない。でも、どうにも次の日に問題が解決するようには思えなかったので、近所の友達に事情を話し、もし明朝、事態が改善してなければ、ジャンピングの約束を取り付けておいた。
案の定、次の朝、問題は解決していなかった。ジャンピングしてもらっても、それは一時のこと。その後、少し走ってバッテリーが元通りになるものなのかどうかもわからない。そこで、夫に近くの(といっても田舎なので遠い)車修理屋さんにバッテリーの在庫の確認をしてもらって、そこが空いてるタイミングで、友達に来てもらいジャンピング。なんとかそこまでたどり着いて直してもらった。
一年いないと、カードの暗証番号も忘れているし、マニュアル車の運転も慣れていないしで、全くハラハラした。でも、バッテリーが上がっている事態に遭遇したときには、これでバカンス1週間目は終わり!と思ったので、次の日に解決してるのは快挙!フランスではね。何せ、バカンス中。友達がバカンスに出かけてるって言うことだって十分にあり得るのだし、車修理屋が閉まっていることも在庫がないことも、フランスではあるあるなのだ。
車からオイルが漏れている!
すっかり気をよくしてバカンスを楽しみはじめていた矢先、車からオイルが漏れている事に気づいた。また夫に電話して相談すると、「量からしてこれはまた修理屋に出さないといけないのでは」ということになった。あーあ。友達といっぱい約束を取り付けてるんだけどなぁ、今週。しかも、車がないとなかなか移動が難しいこの地域なのである。といっても背に腹はかえられないので、近日中で一番早い日に予約を取り付けてもらった。それまでは車を使わないようにして。
結局、車のオイルの漏れが大した事はなく、しばらくはこのまま乗り続けられるけれども、部品を取り寄せるので、近いうちに修理の予約を取るようにと言うことになった。問題は何も解決してないけれども、とりあえず急を要することでは無いことがわかったので、よし!
車の用語を知らないから、修理屋の予約も日本にいる夫頼みだったのが、ちょっと片手落ちだけど、次はそれも自分でやれるように車の勉強もしようと前向きに。
サマーキャンプの迎えのバスが来ない!
その週末、リヨンまで(ここから車で2時間位)息子と末っ子を送る予定でいた。というのは、そこでバスに乗り、それぞれボルドー、南仏にサマーキャンプを予約していたからだ。リヨンには義理の母もいるので、毎年マミーの家に1、2泊した後、子供たちをサマーキャンプに1週間送り出している。
車を使うのも少し不安だったし、時間もあるのでたまには電車もいいかなと思って、今回は電車に乗ることにした。久しぶりの電車で、アプリでのチケット買いから、改札の通り方まで、ドキドキしながらだった。提示された値段があまりに安いので、絶対に何か間違えてると思っていたら、よくわからないけど、「バカンス中で2人以上の旅行」という条件にヒットしたらしく、通常の半額で旅行できた。ラッキー。
ところが、いざサマーキャンプのためのバスまで送りにいくところで問題発生。
このバスというのがいつもいつも変な時間に変な場所に集合なんだけれども、夜中の11時半に来るはずのバスが、12時になっても来ない。他にも同じように出かける子供たちを送ってくる親が数十人いたので、不安ではなかったけれども、次の日の朝には末子も送らなくちゃいけなかったので、早く帰りたい。ちょっとイライラ。指導員がいるのに、彼らも事情がわからないという状況にも、ため息。
結局、夜中の2時にバスが来ないことがはっきり判明。キャンプのオーガナイザーは、バス会社の不手際のせいにしてるけれども、実際のところはよくわからない。「親が一緒にいる人は、今日は一度帰り、次の日の午後にもう一度同じ場所に集合するように、親がいなくて1人の人たちは指導員(といっても、高校生から大学生位)と一緒に行動を共にするように」との指示。
16歳の息子は、こういうハプニングを超楽しむタイプ。今年その指導員の資格を取るために研修にも参加していたこともあって、「帰っていいよ。他の指導員の人たちについていくから。」と言うので、それも面白いかなと思って、息子だけ残して私は帰った。結局その日は指導員の子達とホテルに泊まって、次の日の午後にバスでボルドーまで移動したらしい。ちなみにその移動時間は6、7時間。私は義母宅で仮眠を取って、次の日の朝、末っ子を無事送り、ほっ。
それにしても、日本ではなかなかありえない話だよなと思う。遠足の日にバスが来ないというのもまぁないだろうし、きちんと説明が行われないことも、それに目くじらも立てずに夜中に、「また、バスの運転手がストライキかなぁ。」と言っているフランス人たちも。おおらかというかなんというか。
日本にいると、何でも時間通りに行くのが当たり前で、何かうまくいかないことがあるとイライラするし、サービスに対して文句をつけてしまうけれども、そうあるために、みんながすごく自己犠牲を払ってるんだよね。
去年の9月から、勤務校でフランス人の先生と働くことが多くなり、びっくりすることがたくさんあったんだけども、こういう文化背景で育ってきた人なんだなと思うと、色々と合点がいく。
例えば、校外学習行くにしても、先生は下見にほとんど行かない。事前学習もほとんど行わないし、持ち物等の一覧表もほとんど出さない。なので、日本人の親はすごく心配するんだけども、フランス人はどこ吹く風。子供たちも直前までどこにいくか、何をしに行くのかもわかっていないことが多い。でも、先生の思惑を超えて(そもそも思惑がない場合も!)、子供たちは自分の視点で楽しんでいるし、何か問題を受ければよく周囲を観察して臨機応変に対応する力は確かについている気がする。
まあ、これがフランスのやり方なので、郷に入れば・・・の法則に倣って、子供たちには「先生の言うことを聞きなさい」ではなくて、「自分の頭で考えて行動しなさい」と言うことにした。
何はともあれ、今年も私の問題解決能力が鍛えられている夏である。