2024年4月26日に予定している「子供がノリノリ!奇跡の漢字音読セミナー、フォローアップセミナー」の準備を進めながら、私とリズム音読開発者の小野ふじ子さんがこれまで言語化できていなかったコツを発見することができた。それは、
リズム音読を車の両輪の片側と思うこと。
リズム音読をドリル的にこなしても…
最初はもの珍しさもあるし、特に、低学年だと、ただただ意味を考えずに音読するすること自体が楽しいので、子供はのりのりでやってくれることが多い。でも、やがて飽きてくるし、特に中学年位になって、知能発達すると、意味がわからないものをひたすら音読する事は苦痛に感じるようになる。忙しい親にとっては、1日のノルマ(1ページというように)というのさえ決めて、自分でどんどん進めてくれたらとっても助かるのだけれども、そういうわけで、この方法でやるとなかなかうまくいかない。それは私も自分の娘で経験済みだ。
リズム音読を子供がやる時の親子の距離感
成功の秘訣は、少しでいいので、
親や先生が関わってあげること
「少しでも」というより「少しだけ」の方が適切かもしれない。全ての知らない言葉の意味を説明しようと思うと長くなって辛くなるので、
1ページのいくつかでもその時の我が子や生徒さんにとって覚えておいたらいいなと思う語彙を
イラストや短文作りでちょっとだけ説明する
のがいいと思う。この「少しだけ」の距離感が言葉で説明しにくくて、これまでうまく伝えてこれなかったんだけど、大事。残念なことに、ここで、親や教師はついつい欲をかいて?!定着まで持っていこうと思うので、ますますハードルが上がってしまうのだ。
今月の末っ子と私の会話
前の記事で書いたように、5年生が始まったばかりの末っ子は、「先取り学習」としてリズム音読に取り組んでいる。2、3回読めば、覚えられるページもあるので、超高速で進んでいる。
やり方は、娘が私がいない間に自分でリズムを練習して、できたと思ったら、私のところに来てルビなしで読みに来るというもの。一応、「わからない言葉があったら辞書で調べてね」とは言ってあるけれども、聞きながら「この言葉は知らないなぁ。知っておいて欲しいなぁ」というものがあれば、その場で少し掘り下げる。例えば、どんな時に使えるか一緒に考えたり、どんなところで聞いたか思い出したりする、そんな簡単なものだ。
先日も、「住めば都」という表現がリズム音読の中に出てきたので、「どんな意味か知っている?」と聞いてみた。娘は、「住んでいるうちに、どんどん人が増えていくってこと?」なんて言っていたけれども、「住んでいればそこがだんだん快適で自分にとって住みやすい場所になる」という意味を説明した。「ママも引越しが多い人生だけど、どこに行っても「住めば都」と思ってたから、楽しくやってこれたのかも」なんていう話をした。
ここで大事なのは、何とか覚えさせようとすることじゃなくて、忘れてもいいから、雑談としてさらっと話しておくこと。むしろ、
リズム音読が話の種を提供してくれる
位の心持ちがいい。
その後、数週間して、一緒に劇団四季の「ライオンキング」を娘と観劇していた時のこと。その中のセリフで、この「住めば都」という表現が偶然出てきた。真っ暗な中だったけども、思わず2人で向き合い、手をぎゅっと握り合った。観劇後、娘の方から「リズム音読でやった、住めば都、出てきたね」と言ってきた。
これで初めて娘にとってこの表現が腹落ちしたんだと思う。言葉というのはこんな風に具体的な文脈と結びついて覚えた時に、初めて使えるものになっていくのだろう。
だからといって、文脈から離れた「リズム音読」のような、ある意味「ドリル的な学習」が無駄かと言えば、私はそうは思わない。知ってるからこそ、日常の中で聞いたときに、それが引っかかってくるわけである。この表現を学んでいなければ、劇の中で出てきても、右から左に抜けたに違いない。
日常の何気ない経験が学習の場で「引っかかり」になるように、学習したことがまた日常生活をするときの「引っかかり」となって、相乗効果を生んでいくのだと思う。
というわけで、これまで言語化できなかったこと。リズム音読使いこなすには、
上手に距離感をとりながら何気なく会話を織り込むことが大事。
リズム音読と日常生活は「車の両輪」と考えて、両者を共に豊かに、そして繋げていくことが大事
こんな話をみなさんのお悩みに寄り添いながらできたらなと思っているフォローアップセミナー。以下のサイトで受付中です。
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